酔いね

28の祝日に、神楽坂へ行って会社の人とピザ食べてモンストしてきた。
1人は初めての直属の後輩で、
1人は一回会議でぶつかって私がガン泣きした相手で、
2人は付き合ってるのでちょうどよく3人で会ってきた。
たまたま神楽坂へ行く用事があったからタイミングもよかったんだけど、いろいろあった2人なので普通に連絡とれるのありがたいなぁなんて思った。あと会議で泣いちゃいけない。もうしない。


神楽坂へ行ったのは大槻香奈さんのかみ解体ドローイングっていう展示が見たかったから。
しかも場所がかもめブックスだったから、コーヒー飲んだろって思ってたんだけどさすがに休日は人が多かったのでまたの機会に延期。
展示はすごくよくて、以前個展も見に行ったことがあるんだけど、その時見た油絵とは違う実験的なドローイングだった。しかも多い。壁一面。チラシの裏側とか、ダンボールの切れ端とかにざくざく書いてある。
制作年的に今までの発表作品の傍ら書きためてたっぽくて、しかもそれは展示するためとかじゃなくて、とにかく書いてたら積もり積もったのかなっていうものたちで、当たり前だけどそれを職業に選んだ人はそれに対する量が半端ないなって感じだった。
ご本人がちょうどいて(私は前も今回も話しかけられなかったんだけど)毎回人とがっつり話してて、一線こえる人はちゃんと語ることができるかできないか、だなーなんて事も思った。


水戸で山口晃展を見た時も感じたのが、当たり前だけど職業にしてる人はめちゃめちゃ考えてる。考えて考えて、ちゃんと自分の言葉で語れる。自分の作品だったり、立ち位置だったり、ジャンルとか歴史とか他の作家に対してまでも。
山口さんも、最初は絵日記的な自己紹介的展示の後に、「芸術」っていう外来語が翻訳されたことによる不毛な物差しに対しての自分の立ち位置とかを直筆でガーッと書いてる部屋を挟んできてて、ふわっとした現代美術のくくりで見てた作品の捉え方がやっとわかったような気がする。
山口さんは、そこで語っていたように「芸術」(からの西洋芸術、日本芸術と分けられる物差し)の言葉で分けられる前の領域で戦おうとしてて、だから絵も描く、映像も作る、立体も作る。日本画的技法を使うけどモチーフや書き方はあくまで現代のもので、今回は部屋いっぱいの漫画(的掛け軸やら何やら)まであった。技法で、あるいはモチーフ、あるいは媒体で分けられている現在の境界を越えようとしてる…だから間違いなく現代美術の人だったんだ、って思った。
あと時代性とはやっぱり切っても切れないものがあって、特に媒体においては本当に「知らなかった」ではいられない部分がある。山口さんも漫画的表現だったり、ツイッターをモチーフにした作品があったり、その中でチン↑ポムに言及していたり…
ビートルズはアルバムっていうメディアを最初に使ったから、メディアアーティストである(ざっくり)って話があるんだけど、そう言う意味では山口さんもメディアアートだし、むしろ現代美術はすべからくメディアアートの要素があるし、過去古典といわれる作品達も当時の現代美術なわけで、彼ら全員メディアアートなんだよ!って乱暴に言ってしまえるのでは…なんて…


何がしかの境界を拡張して越え続けていくのが人間であって、芸術であって、科学であって、思想であって/境界ってのは現在のキワ、最先端の部分であって、まだぐちゃぐちゃしているところである。ので、芸術と科学と思想ってのは切っても切り離せないもので、どれかが欠けていても越境することはできないのです。なんて。


だから現代で美術やろうとしたら意識的に拡張させるフィールド=技法(科学)+ジャンル(思想)を選んでいくのが必須で、だから「なぜ」それを選んだのかについてちゃんと語れるんだよなーとか。


昔個人的に思ってたのは、絵画を乗り越えた写真って面白いなって思って、しかもデジタルとフィルムの境目で写真とはなんぞやっていうのがちょうど巻き起こってた時で(それって写真が出現した時の絵画とはなんぞや、とちゃんと同じ道を辿ってるのがちょう面白い)これやーーって思ってたんだけど、ここ数年でそれも落ち着いちゃって完全に…出遅れ感。
データvsフィルム、改変vs不可侵みたいな争いとかもう今さらって感じになっちゃったなー
さらにデジイチで映像が撮れるようになって動画vs静止画の境界も、デジイチっていう機械的にはもう乗り越えちゃったし、
さらにさらにウェアラブルカメラも流行っちゃって、からのVRの一般化まで来ちゃったら、
映像(連続写真)における「誰かの見たもの(画家の目)→自分の見てるもの」戦線的には行くとこまで行っちゃったなーて感じ。もうあとは直接脳に見せるマトリックスまで行っちゃうのすぐじゃないかな。


今身体の拡張がアツイなって思ってて、義足の方が短距離走の記録が早いとかそういう話もあるし、ウェアラブル椅子とか、重い物持てるようになるアーマースーツとか、スプツニ子!とか、きゅんくんとか、そういう肉体の性能を拡張させる分野めっちゃ面白いなって思う(見てるだけだけど!)
ちょっとあれ違いかもしれないけど、拡張するファッションっていう展示もあったしね

拡張するファッション ドキュメント ファッションは、毎日のアート

拡張するファッション ドキュメント ファッションは、毎日のアート

みたいな話を同日夜にかなえと飲んでめっちゃ話したんだけど、ベロベロに酔いすぎてあんまり覚えてないのでした。