TRAIN(ALBUM VER.)

菊地敦己 連続対談「つくるということ」
第3回 ゲスト大森礱佑子(スタイリスト)

に行ってきた。


遅刻しそうで表参道をひとり突っ切っていたのだけれど、イルミネーションが始まっていて綺麗ねー☆と言い合う人々で道は埋め尽くされていました。綺麗だったけれど一人写真を撮る度胸もないのできれいなblog


ABC本店には初めて行った。道がわからないので途中からこの人関係者っぽいていう人をつけて行ったらちゃんと会場まで着けてよかった。




大森よお子さんorゆう子さん。
八百万の神様のうちの一人。

雑誌Oliveで数多くの「オリーブ少女」を生み出した人で、私にとっては「kimono姫」の人

KIMONO姫 1 ことはじめ編 (Shodensha mook)

KIMONO姫 1 ことはじめ編 (Shodensha mook)

新潟でまだ予備校に通っていたときにこの本を買って着物に目覚めて現在では百枚近くの着物を集めるに至る…

最近は装苑でスタイリストをしているのが主か


対談は主に大森さんが喋って時々菊池さんが相槌を打つ感じ。Oliveから装苑までのスライドと、ファッションショーの映像等。


  • 印象深かったこと

この写真を見て衝撃をうけて、ずっと辞書の表紙に貼ってたの。まだあると思う。
この写真を見て、東京ってすごいなと思って。東京で仕事をするのが。
この写真を撮った方が十文字美信さんという方で、40代で初めてお会いできたのだけど、あぁ、私今、未来に来てると思って。

だから次は未来の先を見なくちゃと思って


リアルクローズは本当にできないの。私が作るのはすぐに着られる服じゃないけれど、だから未来の服かな。


70年代の資生堂の広告っていうのは本当に面白くて、25,6の若い人に写真を撮らせたり。そういう壁がなかった時代だと思う。
(菊地さん)まだ広告っていうものが確立していない感じがありますよね。


森ガールって一時期パーッと流行ったでしょう。mixiで3万人のコミュニティが集まって、ってやつ。私「森ガール」っていうものには本当に噛み付いたの。
彼女たちが自分の中から表現する場をやっと見つけたのに、そこに大人が手を出しちゃだめ。手を出すなら最後まで手を出さなくちゃだめ。
(菊池さん)「森ガール」って言葉にするとそこに市場が出来るんですよね。会議でターゲットはどの層?って言われたときに「なんか可愛いらしくてキラキラしたものが好きっぽい女の子」じゃなくて「森ガール」って言えば通ってしまう。

流行ったら薄まってしまうの。だから私はマイノリティでいたいと思う。

Oliveの時は第三企画の女って言われてたわ


タメ口で話す。年上の人相手には気後れするかもしれないけれど、それでもタメ口で話したほうがいい。敬意を払うのは良い事だけど、敬語は距離ができてしまうから。タメ口で話すと心の距離が縮まる。

同じ目線で物が見たい。って言うともう上から目線みたいだけど、同じ目線に立って上を見たい。

上に立つようになると本当に孤独なの。だから「お話をお伺い」するんじゃなくて、会話がしたい。

(菊池さん)良いものを作る人とは相手が何歳だろうとちゃんと会話出来るんですよね。つまらないものを作る人とは会話が成り立たない。


(菊池さん)不況なのはわかるけれど、本気でものを作る人っていうのが少ないんだなぁとか

(菊池さん)本気で物を作ろうとすると、つまんない障害にたくさんぶちあたるんですよ。
この一年闘ってきましたね。

  • Fur Furのファッションショーを見ながら

ショーっていうのは本当に面白い。20分位のショーの為に半年とか準備して、それがすごく面白くて。

このファッションショーで唯一後悔してるのが、最後に出てくるデザイナーの子のスタイリングをしなかったこと。前日まで徹夜で、服もそのままだし、メイクもしてないし髪も…

だからすごく叱ったの。私たちは憧れを売っているんだから、私たち自身が憧れにならなきゃダメって。
だから私も仕事の時はFurFurの服を着て、靴を履いて、メイクもきちっとして…

素敵なものを作るなら、作ってる人も素敵って思われなきゃ。


  • その他仕事に関する話など

最初雑誌の仕事は5年やろうと思ったの。それで5年できたから、続けられた
雑誌って基本的に予算ゼロなのよね。だからそこからどうやって工夫するかっていうのはすごく勉強になった。


21世紀美術館の展示を見ながら)これはあんまりうまくいかなかった。私はスタイリストだから、アーティストじゃないのよね。アーティストになってしまったらスタイリストじゃなくなっちゃう。



装苑を見ながら菊池さん)このページすごくいいなと思って。思わず言いに行っちゃった「すごくいいじゃん、どうしたの」って

(その時の身の回りの状況を話して)だからなんでか「センチメンタル」っていう言葉が浮かんだのね。もの自体は全然センチメンタルじゃないんだけど。スイレンっていう写真家に撮ってもらって、初めてコラージュして。

(菊池さん)コラージュ自体は本当に雑ですよ(笑)でも多分そういう表現したいものがあったから、とてもいいと思ったんだと思う

                                                                                                    • -

うろ覚えだけど大体こんな感じだったと思う。

仕事にも表現したいものを入れる。何か作るときは多かれ少なかれそういうことが入ってるとは思うんだけど、もっと意識的にやっていこうと思った。


あと「今未来に来てる」っていう言葉がすごく衝撃的だった。私も今、昔々にやりたいと思ってた状況目前にいる。東京で仕事して、憧れだったあのゲームに関われそうで、生活費全部自分で出して。だからそれを叶えてしまったらその後どうなるんだろう、とか妙に不安だったのだけど、そこを乗り越えて未来の先を見てる人がいる。
最近の大森さんの仕事紹介で、キャッチコピーに「未来の先」「闘い」っていう言葉が並んでいて、そうかそういうことなんだ、っていう。今大森さんは未来の先を見る為に闘ってる。闘ってる人がいるのに怖がってる場合じゃないとか。


上に立つと本当に孤独なの…のくだりとか。
敬意を持たれすぎて同じ目線に立つ人が少ないんだろうな。前の記事で書いた「お願いだから、女を『人間』として、対等な目線で見てちょうだい。相手を人間として見ないか限り、『理解』も『共感』も生まれないでしょう?」っていうことなんだろうな。崇め奉ることはただの隔離と同じ。
ハチクロ9巻の「ありきたりなコトバなんだけど、ほんとうに、世界が違うんだって…」「みんな多分そう思ってるよ…で、全員で彼女を遠まきにするんだ。『私には何もしてあげられそうにないから』って…で、まんまと彼女はひとりぼっちってわけだ」を思い出した。
仲良くなりたいのに妙に出来る距離は敬語のせいか。
とはいっても会話できるだけのものを自分の中に持ってないとだなぁとか。同じ立場で会話をするために、むこうに下がってきてもらうんじゃなくて、自分が上がっていかないと。


「私たちは憧れを売っているんだから、私たち自身が憧れにならなきゃダメ」のくだり。
確かに確かに…

この人のブログ思い出したり
「最近つくづく思うのだけど、自分をイラストレーターとかデザイナーなどと名乗る前に、人を楽しませる(エンターテインする)人でありたい。当然、エンターテインする人である以前に、エンターテインされる人でなければならない。積極的に娯楽を楽しむ人でないのに、人を楽しみで引きつける事など絶対にありえない。」
人生を豊かに。


この対談本になるらしいので買いたいなぁ。
あとOliveも古本探して買う。


菊池さんにあわよくばサインしてもらおうと本持って行って、最後に外に立っていてくれたのに声かけられないチキンさに自己嫌悪…
質問の時間に「なぜ大森さんは最初に仕事を『5年』しようと思ったのか」質問できなくて小心者さに自己嫌悪…

落ち込みすぎて帰りにひとりサブウェイしてどうしてこんなにチキンなのかをひとり反省会して帰った。
ちょっとがんばって声出したときにいっつもベコベコになっていつしか何も言わなくなったのやっぱりよくない。損しないけど得しない。
人に迷惑かけない程度に恥をたくさんかく。事をがんばる。